『国際共通語の思想―エスペラントの創始者 ザメンホフ論説集』
ラザーロ・ルドヴィーコ・ザメンホフ/水野義明訳
新泉社(1997)
状態・初
あらすじ
国際語と国際語思想・運動に対するザメンホフの論考と演説。
==+==
本来小説か、それに準ずるものしか読まないのだが、スピーチで国際語についてやろうかと思って手にとってみた。まあ、結局スピーチの方はトピックを変えてしまったのだが。もう少しスピーチが上手くなってからでないと、題材が良いのに勿体ないと思って。
内容は題名で殆ど解る。人工言語・エスペラントの創始者ザメンホフが国際語について述べている。前半はおそらく当時の雑誌などに投稿した論文、後半は世界エスペラント大会でのスピーチだ。
書かれた時代が古く、今と状況が違う所もあるので読んでいて「ん?」と思う所もあったが、思想自体は賛同するに値する。
言語の多様性、それ自体は問題ない。言語は文化だ。ただ、全世界に共通の言語というものがない事が問題なのだ。「英語があるじゃないか」という意見もあるだろうが、果たしてそうだろうか。
確かに英語は偉大だ。世界中で多くの人が話している。けれどそれは大国アメリカに膝を折り、自分たちの言語を押し込めた結果ではないだろうか。言語は文化だ。そこに優劣などありはしないし、あってはならない。
ザメンホフは自らを理想主義者だと言う。確かにその通りだ。けれど、夢を抱く事は良い事だと思う。いつか現実が夢に追いつくその日に自分がいなくとも、理想を語り、夢を裏切らずに貢献した彼は素晴らしい。
…と言いつつ、ESSに所属しているという矛盾。ていうか、次はファウストかハリーにしようと思ってたのに。
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