『飛ぶ教室』
エーリヒ・ケストナー/池田香代子訳
岩波少年文庫(2006)
あらすじ
クリスマスを前にした寄宿学校で繰り広げられる、個性豊かな登場人物たちの物語。
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大学の講義でDVDを見て、レポートのために読んでみた。
ケストナーの前書きが本当に良い。前書きだけでも十分な読み応えがあった。
登場人物の個性が本当に豊か。子供から大人に成長する不安定な時期にあって、それぞれが個々を確立していく。どの考え方が正しいとか、そういう事が問題なのではなくて、重要なのは自分の在り方だと思った。
個人的にはヨナタンが好きだなー、と思っていたのだけれど、第9章のゼバスティアンの台詞が凄くドキッとした。レポートは途中から主旨がずれて、ゼバスティアンについて語ってた気がする。
児童書だから読み易かった。けれど、内容は子供よりも大人に読んで貰いたいものだったかも知れない。忘れていた少年時代。子供に対する大人の偏見。今の自分を振り返るには、とても良い本だった。
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